まっしろ

世の中やったもん勝ちだなぁと

そんなことずっと知ってるくせに

燻った膨大な嫉妬を腐らせている

美術館やギャラリーに行くことは

生活のひとつになっていて

行くたびに感銘を受け

感情だだ漏れの

ちいさな人間になる

ちっぽけだ

描いた絵を見てもらう

その行為は

自分を曝け出すことで

定型文みたいな感想で

死にたくなる

変わらないようで

見比べると

どんどん変わってく

劣化だけはしたくないんだ

スケッチブックをひろげても

閃かないときの焦燥感は

いつまでたっても消えないし

心臓がばくばくして

壊れんじゃないかと思うくらいに

思い通りに筆が進むこともある

たのしい

全然飽きない

でもすこし苦しい

自分のまわりの人たちも

音楽や写真、絵や諸々

オプション付きの人ばかりで

元気なときはそれは

とてつもない刺激と興奮で

元気をどこかに落としてるときは

地獄に住んでる気持ちになる

絵の仕事はありがたいことに

途切れず貰えている

小さく派手にならずに

コツコツと

今年は少し自分が自由に

ただ描いて描いて描いて

それを見せれる場所を

作りたいと思ってる

結局のところ

どんなときでも

頭の中はいつも画用紙

目の荒い生成りの色をした

ボコボコとした紙

それを吸い込む絵の具

吸い込んで紙から離れてく水

感情をばかみたいに

飲み込んでくれてしまって

絵の具が紙に染みて

混ざってくのを見てるだけで

ぼろぼろと涙が止まらない日もある

上手くないけど

ただひたすらに好きなんだと

何度も気づかされて

朝靄がかかった頃の時間に

わんわん泣きながら

カッターで鉛筆を整える生活

大人になりきらない為の

延命治療みたい